顧客管理をエクセルでやる方法|項目の決め方と限界が来るサイン

公開日 2026/10/20
顧客管理をエクセルでやる方法|項目の決め方と限界が来るサイン

顧客管理はエクセルでも十分に始められます。大切なのは機能ではなく、1行1件の形を崩さないことと、入力の仕方を先に決めておくことの2つです。

多い失敗は、必要になるたびに列を足していき、同じ会社が何行にも分かれてしまう形です。こうなると件数も集計も合わなくなり、表を見ても判断に使えなくなります。

この記事では、最初に決める項目、崩れない表の作り方、重複と表記ゆれを防ぐ設定、共有するときの注意点、エクセルでは厳しくなるサイン、移行の進め方を順に説明します。

顧客管理で最初に決めること

表を作る前に、次の2つを決めます。

  1. 1行が何を表すか — 1行=1社なのか、1行=1人なのか、1行=1件の商談なのか
  2. 何に使う表か — 連絡先を引くためか、進み具合を見るためか、集計するためか

1行の単位を途中で変えると、過去の行と数え方が合わなくなります。会社の下に複数の担当者がいる場合は、会社の表と担当者の表を分け、会社IDでつなぐ形が扱いやすくなります。

入れる項目

最初から多く作らず、使う項目だけにします。あとから足すのは簡単ですが、使われない列は入力漏れの原因になります。

分類 項目の例 用途
識別 会社ID、会社名、会社名(カナ) 重複を防ぐ、並べ替える
属性 業種、従業員規模、所在地 絞り込み、リストの条件
連絡先 部署、担当者名、電話、メール 連絡する
状況 段階、最終接触日、次の行動、担当者 次に何をするか判断する
経緯 接点のきっかけ、断られた理由 条件の見直しに使う

「断られた理由」は、入れておくと後から効く項目です。同じ理由が続いていれば、リストの条件か伝え方のどちらかを変える判断ができます。リストの条件の決め方は営業リストの作り方にまとめています。

崩れない表の作り方

1行1件を守る

1つのセルに複数の情報を入れないようにします。「東京都港区〇〇1-2-3 田中様 03-xxxx-xxxx」のような書き方をすると、絞り込みも並べ替えもできなくなります。

選ぶ項目はリストから選ばせる

業種、段階、担当者など、決まった言葉から選ぶ項目は入力規則のリストにします。自由入力にすると「製造業」「製造」「メーカー」が混ざり、件数が合わなくなります。

日付は日付として入れる

「10/20」「2026年10月20日」「10月20日」が混在すると、並べ替えも期間の絞り込みもできません。日付は日付形式で統一します。

色分けに意味を持たせない

色だけで状態を表すと、絞り込みも集計もできません。状態は列として持ち、色は見やすさのための補助にとどめます。

重複と表記ゆれを防ぐ

同じ会社が複数行に増えると、件数が実態より多く見えます。防ぎ方は次の通りです。

問題 対策
同じ会社が重複する 会社IDを振り、入力時に既存を検索してから追加する
会社名の表記が揺れる 「株式会社」の位置と全角半角のルールを決める
担当者が変わった 行を上書きせず、変更日と前任者を残す
不要になった行 削除せず「対象外」の列で区別する

削除せずに残すのは、同じ会社に何度も連絡してしまうことを防ぐためです。

共有するときの注意点

複数人で同じファイルを触る場合、次の点を決めておきます。

  • 置き場所を1か所にする(個人のパソコンにコピーを作らない)
  • 編集してよい人と、見るだけの人を分ける
  • 列の追加や削除をしてよい人を決める
  • 個人情報を含むため、共有範囲を限定する

同時編集ができる環境でも、列の構成を変えられる人は限定すると崩れにくくなります。

エクセルでは厳しくなるサイン

次のどれかが起きていれば、仕組みを変える時期です。

  • どのファイルが最新か分からなくなることがある
  • 誰がいつ更新したかを追えない
  • 集計のために毎回手作業で加工している
  • 件数が増えて、目的の行を探すのに時間がかかる
  • 同じ会社に複数の担当者が連絡してしまった

特に最後の1つが起きたら、記録の問題ではなく営業の問題になっています。商談の進み方を扱う仕組みの選び方はSFAとはで解説しています。

移行するときの進め方

エクセルからシステムに移すときは、今の表をそのまま移さないのが要点です。使っていない列を先に消します。

  1. 直近1年で実際に使った列だけを残す
  2. 表記ゆれを揃える(業種、会社名、日付)
  3. 重複行をまとめる
  4. 移行後も、しばらくは入力項目を増やさない

移す前に整理しておかないと、使われない項目がそのまま新しい仕組みに持ち込まれ、入力が重くなります。

集計やファイル作成を手作業でやっている部分は、移行とは別に自動化できることもあります。進め方はエクセルの自動化にまとめています。

よくある質問

無料のツールとエクセル、どちらがいいですか?

更新する人が1人で件数が少なければ、エクセルのほうが速く始められます。複数人が同時に更新するなら、同時編集できる環境のほうが崩れにくくなります。

顧客管理と営業リストは同じ表でよいですか?

分けたほうが扱いやすくなります。営業リストは「これから連絡する相手」の表、顧客管理は「接点を持った後の状況」の表で、入れる項目も更新の頻度も違います。

項目はどれくらいから始めるべきですか?

10項目程度から始めるのが扱いやすい範囲です。足りなければ足せますが、最初から30項目あると埋まりません。

過去のデータが整っていません

全部を直そうとすると終わりません。直近で連絡する可能性がある行だけを整え、それ以外は「未整理」の印をつけて残しておけば十分です。

まとめ

  • 顧客管理はエクセルでも始められる。1行1件を守ることが最優先
  • 1行の単位(会社・担当者・商談)を先に決め、途中で変えない
  • 選ぶ項目は入力規則のリストにして、表記ゆれを防ぐ
  • 削除ではなく「対象外」の列で区別すると、重複連絡を防げる
  • 最新版が分からない、更新者を追えない、手作業の集計が増えた、が乗り換えの目安

当社の営業支援サービスでは、リストや連絡の記録などの作成物が社内に残る形で運用します。管理の形から一緒に決めたい場合はお問い合わせからご相談ください。