LLMOとは?SEOとの違いと、根拠のある対策・根拠の弱い対策

公開日 2026/10/11 更新日 2026/10/18
LLMOとは?SEOとの違いと、根拠のある対策・根拠の弱い対策

LLMO(Large Language Model Optimization)とは、ChatGPT・Gemini・Perplexity・GoogleのAI Overviewsなど、AIが文章で答える検索サービスの回答の中で、自社のサイトが引用されたり、社名が挙がったりするようにする取り組みです。

まず取り組みたいのは、AIの検索用クローラーがページを読める状態にすることと、ほかのサイトにない一次情報を載せることの2つです。AI検索の多くは回答を作るときにWebを検索し、見つけたページを根拠として引用するためです。

一方で、LLMO対策として紹介される施策の中には、効果の根拠が確認されていないものや、Googleが公式に「無視する」と明言しているものもあります。この記事では、施策を一次情報にもとづいて「根拠がある」「根拠が弱い」「効果が見込めない」の3段階に分け、扱い方と効果の測り方を説明します。

LLMOとは「AIの回答で自社が引用・言及される」ための取り組み

これまでの検索では、利用者が検索結果のリンクからページを選んで読んでいました。AI検索では、AIが複数のページを読んで回答を作り、その根拠として一部のページへのリンクを示します。

この回答の中で自社のページが出典として示されること、または社名やサービス名が挙がることが、LLMOの目指す状態です。比較の候補として社名が挙がれば、その後の指名検索や問い合わせにつながる可能性があります。

SEO・AIO・GEO・AEOとの違い

LLMOの周りには似た言葉がいくつもあります。どれも「AIや検索エンジンの回答に自社の情報を載せる」ことを目指す点は共通で、呼び方の違いが中心です。

用語 正式名称 主な対象
SEO Search Engine Optimization 検索エンジンの検索結果
LLMO Large Language Model Optimization 大規模言語モデルを使ったAIの回答
AIO AI Optimization(AI Overviews対策の意味で使われることもある) AIの回答全般
GEO Generative Engine Optimization 生成AIを使った検索エンジンの回答
AEO Answer Engine Optimization 質問に直接答える検索機能

Googleは公式ガイドで、生成AI検索への最適化は検索体験への最適化であり、SEOであると説明しています(Google検索セントラル「AI optimization guide」、2026年7月10日更新)。違いが出るのは、Google以外のAIのクローラーへの対応と、効果の測り方です。対策の全体像はAIO対策とは?AI検索で自社が引用されるための対策でも紹介しています。

AI検索が回答を作る仕組み

AI検索の多くは、学習済みの知識だけで答えるのではなく、質問を受けてからWebを検索し、見つけたページを読んで回答を作る形をとっています。サービスごとの細かい仕組みは公開されていない部分が多いため、各社が公式に説明している範囲に絞って紹介します。

Googleは関連する検索を複数回行う

Googleは、AI OverviewsとAI Modeで、質問に関連する複数の検索を行う「クエリファンアウト」という手法を使う場合があると説明しています。根拠のリンクとして表示されるには、ページがインデックスされ、検索結果にスニペット(説明文)つきで表示できる状態であることが必要で、それ以上の技術的な要件はないとしています(Google検索セントラル「AI features and your website」、2025年12月10日更新)。

ChatGPTは検索用のクローラーで集めたページを使う

OpenAIは、ChatGPTの検索機能のために「OAI-SearchBot」というクローラーを使っており、これを拒否したサイトはChatGPTの検索の回答に表示されないと公開しています。AIの学習に使う「GPTBot」とは別々に設定できます(OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」、2026年10月に確認)。

Bingは「AIが検索に使った語句」を公開している

Microsoftは、Bing Webmaster Toolsの「AI Performance」で、Copilotなどで自社サイトが出典になった回数と、AIが内容を探すときに使った語句を確認できるようにしています(Bing Webmaster Blog、2026年2月10日)。

3社の説明に共通するのは、AIが回答のたびに検索して根拠のページを探しているという点です。検索で見つかり、読める状態にあることが、引用の前提になります。

LLMO施策を根拠の強さで3段階に分ける

施策を、提供元の公式ドキュメントや公開された調査・論文と照らし合わせて分けました。

段階 施策 根拠
根拠がある AIの検索用クローラーを拒否しない 拒否するとChatGPT検索に表示されない(OpenAI公式)
根拠がある 本文をHTMLで出す 主なAIクローラーはJavaScriptを実行しない(Vercelの実測)
根拠がある 出典つきの引用や統計を入れる 研究環境の実験で30〜40%改善(GEO論文、KDD 2024)
根拠がある キーワードを詰め込まない 同じ論文で、詰め込みはほとんど改善しなかった
根拠が弱い 文章を長くする 文字数と引用の相関はほぼゼロ(Ahrefs)
根拠が弱い サイト外の言及を増やす 相関は強いが因果は未確認(Ahrefs)
効果が見込めない llms.txtを設置する Google検索は無視すると公式に明言
効果が見込めない AI引用のために構造化データを足す 追加前後で引用の増加は確認されず(Ahrefs)
効果が見込めない FAQの構造化データで表示を広げる FAQリッチリザルトは2026年5月に表示終了(Google)

「根拠がある」施策も、実施すれば引用されると約束できるものではありません。引用の可能性を下げている原因を取り除く施策と考えるのが実態に近いです。

根拠のある施策1:AIのクローラーが読める状態にする

最初に確認したいのは、AIが自社のページを読めているかどうかです。ここに問題があると、中身を充実させても引用の候補に入りません。

検索用のクローラーを拒否していないか確かめる

robots.txt(クローラーに巡回してよい範囲を伝えるファイル)で、AIの検索用クローラーを拒否していないかを確認します。OpenAIは、検索に表示されたいサイトにはOAI-SearchBotの許可を推奨しています。

よくあるのは、AIの学習を拒否するつもりで検索用のクローラーまで止めてしまうケースです。学習用と検索用は名前が分かれているので、各社の公式ドキュメントで確認してから設定します。サーバーのセキュリティ設定でAIのクローラーをまとめて遮断していないかも確認してください。

本文はHTMLで出す

Vercelが自社のネットワークで観測したデータでは、OpenAI・Anthropic・PerplexityなどのAIクローラーはJavaScriptを実行していませんでした。例外はGooglebotの仕組みを使うGeminiと、Appleのクローラーです(Vercel「The rise of the AI crawler」、2024年12月17日)。

ページを開いたあとにJavaScriptで本文を読み込む作りでは、これらのクローラーに本文が見えていない可能性があります。本文・メタ情報・ナビゲーションはサーバー側でHTMLとして出し、本文以外の部品だけをJavaScriptで描画するのが安全です。

存在しないURLへのアクセスを減らす

同じ調査では、ChatGPTのクローラーは取得の34.82%、Claudeのクローラーは34.16%が404(ページが見つからない)でした。Googlebotは8.22%です。URLを変えたときの転送設定や、サイトマップを最新に保つことが、無駄な取得を減らします。

根拠のある施策2:引用される中身を作る

クローラーが読める状態になったら、次はAIが根拠にしやすい中身を作ります。

誰の発言か分かる引用と固有の数字を入れる

KDD 2024で発表された論文「GEO: Generative Engine Optimization」(arXiv 2311.09735、2024年6月28日改訂)は、ページの書き方を変えたとき、AIの回答でそのページの文章がどれだけ使われるかを実験しました。出典つきの引用や統計の追加などで30〜40%改善し、最も良い手法は41%改善したと報告しています。順位が低いページほど改善が大きく、5位のページでは出典の明記で115.1%改善した例も示されています。

この実験は研究者が用意した環境でのもので、商用のAI検索で同じ数字が出ることを示したものではありません。それでも、自社にしか書けない数字や発言者の分かる一次情報を載せる方向は、Googleの公式ガイドが勧める「ほかにない、専門性のある内容」とも一致します。

キーワードを詰め込まない

同じ論文で、SEOで昔使われた「キーワードの詰め込み」はほとんど改善しませんでした。狙う言葉を繰り返すより、質問への答えを先に書き、根拠を続けるほうが、AIにも読み手にも伝わりやすくなります。

長さは問いへの答えに合わせる

Ahrefsが17万件以上のAI Overviewsの引用ページを分析した調査では、文字数と引用の相関は0.04でした。引用されたページの53.4%は1,000語未満です(Ahrefs、2025年12月3日)。文字数の目標より、問いに過不足なく答えることを優先します。

サービス・比較・事例のページを整える

BtoBの購買検討段階の質問でAIが引用したURLを分類した調査では、7,387件のうち88.3%が企業の管理できるページでした。製品ページが24.1%、記事が17.4%、比較ページが13.3%です(Ten Speed、2026年9月3日)。

支援会社が自社の顧客の業界を中心に行った調査のため、業界が変われば結果も変わります。それでも、自社のサービスページや事例ページそのものが引用の対象になりうることは分かります。料金の考え方、対応範囲、進め方、事例の数字を具体的に書いておくことが土台になります。

根拠が弱い・効果が見込めない施策の扱い方

ここからは、紹介されることは多いものの、根拠が弱い、または効果が見込めない施策です。実施済みのものを急いで取り除く必要はありませんが、追加の費用や時間をかける優先度は低くなります。

llms.txt

llms.txtは、AI向けにサイトの概要を書くテキストファイルとして提案されている形式です。Googleは公式ガイドで、AI用のテキストファイルを作る必要はなく、Google検索は無視するので表示や順位に影響しないと説明しています。Google以外のAIについても、引用への効果を示す公式の説明は確認できませんでした。すでに置いている場合は、中身が古くないかを確認すれば十分です。

AIに引用されるための構造化データ

構造化データ(ページの内容を検索エンジンに伝える決まった書式)について、Googleは生成AI機能のために必要な特別なマークアップはないと説明しています。

Ahrefsは、構造化データを追加した1,885ページと、追加しなかった比較用のページを比べました。AI ModeとChatGPTでは変化がゼロと区別できず、AI Overviewsでは4.6%の小さな減少でした(Ahrefs、2026年5月11日)。著者はこの減少の原因は分からないとし、はっきりした良い影響も悪い影響もなかったとまとめています。

構造化データはリッチリザルトの表示条件として役立ち、Googleも通常のSEOの一部として使い続けることを勧めています。通常のSEOのために整えるものと位置づけ、AIの引用を目的にした追加投資は避けるのがよいと考えます。

FAQの構造化データ

FAQの構造化データで検索結果に質問と回答を表示する「FAQリッチリザルト」は、2026年5月7日に表示が終了しました(Google検索セントラル「Latest updates」、2026年5月8日の項目)。AIの引用への効果を示す一次情報も確認できませんでした。読み手が迷う点に答えるFAQを本文に置くことは、読み手のために続けて構いません。

サイト外での言及

Ahrefsが7万5,000ブランドを分析した調査では、AIでの露出との相関が、YouTubeでの言及で約0.737、Web上の言及で0.66〜0.71と高い値でした。ただし記事中でも「相関は因果ではない」と断っています(Ahrefs、2025年12月12日)。

Googleは公式ガイドで、不自然な言及を集めることは思うほど役に立たないと述べています。取材・登壇・発信など、事業の活動の結果として言及が生まれる状態をつくるほうが筋のよい進め方です。

LLMOの効果の測り方

LLMOの効果は1つの数字では測れません。無料で使える手段を組み合わせて見ていきます。

手段 分かること 注意点
Bing Webmaster Tools「AI Performance」 Copilotなどで出典になった回数・ページ・AIが使った語句 公開プレビュー。クリック数は出ない
Search Console 生成AIのパフォーマンスレポート AI OverviewsとAI Modeでの表示回数(ページ・国・デバイス別) 表示回数のみ。通常の表示回数にも含まれる
GA4「AI Assistant」チャネル ChatGPT・Gemini・Copilotなどからの訪問 AI OverviewsとAI Modeからの訪問は自然検索に入る
手動での確認 回答の中身、社名が挙がるか 回答は毎回変わるため定期的に記録する

Search Consoleのレポートは2026年6月3日に発表され、8月31日に全世界のサイトへの提供を終えたとされています(Google検索セントラルブログ)。GA4の「AI Assistant」チャネルには、ChatGPT・Gemini・Deepseek・Copilot・Grokなどからの訪問が入り、GoogleのAI OverviewsとAI Modeは除かれます(Googleアナリティクス ヘルプ)。

回答の中身は手動で確かめます。自社のサービスを探す人が投げそうな質問を10〜20本決め、月1回など同じ間隔で各AIの回答と出典を記録すると、変化を追いやすくなります。

よくある質問

LLMOに取り組むなら、SEOはやらなくてよいですか

SEOは続ける必要があります。GoogleのAI Overviewsなどは、検索結果に表示できるページを根拠に使い、ChatGPTなども回答のたびにWebを検索しています。検索で見つかるページを作ることが、LLMOの土台です。

何から始めればよいですか

まずAIの検索用クローラーを拒否していないかを確認し、Bing Webmaster ToolsとSearch Consoleで現状を測れるようにします。そのうえで、サービスページや事例ページに自社にしか書けない数字や進め方を書き足すのが、根拠のある順番です。

LLMOの効果はどのくらいで出ますか

AIが引用するページの選び方は公開されていないため、期間は約束できません。測定の仕組みを先に用意し、施策の前後で引用回数や表示回数がどう動いたかを見て判断します。

まとめ

LLMOとは、AI検索の回答で自社が引用・言及されるようにする取り組みです。AI検索の多くは回答のたびにWebを検索するため、見つかり、読める状態にあることが前提になります。

  • AIの検索用クローラーを拒否していないか確認する
  • 本文はHTMLで出し、存在しないURLへのアクセスを減らす
  • 自社にしか書けない数字や一次情報を載せる
  • サービス・比較・事例のページを具体的に書く
  • llms.txtやAI引用目的の構造化データには追加の投資をしない
  • Bing Webmaster Tools・Search Console・GA4と手動の確認で測る

施策を選ぶときは「効果を示す一次情報があるか」を確かめることをおすすめします。株式会社MyoshinではSEO・LLMO対策の支援も行っています。詳しくはサービス一覧をご覧いただくか、お問い合わせからご相談ください。